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2018.07.06

お薬の副作用による歯肉への影響について

皆さんこんにちは:)

ユアー歯科クリニック歯科医師の雨宮です。

今年は観測史上、1番早く梅雨明けしたとのことで、ついついお出かけしたくなっちゃいますね:)

 

今日は、口腔内に現れるくすりの副作用として「薬物による歯肉出血」についてお話しようと思います。

近年、高齢化が進むとともに、心筋梗塞や心房細動,脳卒中などの治療のため、血液をサラサラにするお薬を飲まれている方も多くなってきております。

歯肉出血を引き起こす主な薬には、抗凝固薬があります。

この薬が効きすぎると、体のさまざまなところで出血が起きやすくなります。

歯肉出血もその1つとなり、

 

血がサラサラになりすぎていて、歯周病などで炎症を起こした歯肉からの出血が止まらない、、なんてことが起こります。

 

1962年から2011年までの間、飲み薬の抗凝固薬はワーファリンだけでした。

このお薬は、効果が現れる用量と、効きすぎて副作用が現れる用量の差が小さいため、抗凝固薬の目安(指標)となる血液検査(PT-INR)を定期的に行い、その検査値に基づいた細かい用量調節が必要です。しかし、ワーファリンの問題点として、食べ物による影響や、飲み合わせの悪い薬の多さなどもあり、新たなお薬の開発が望まれていました。

例えば、ワーファリンを服用している方は、納豆を食べてはいけないのは有名なお話かと思います。

 

そうしたワーファリンの使いづらさを改善した抗凝固薬が2011年から、次々と発売開始され(プラザキサ、リクシアナ、イグザレルト、エリキュース)、ワーファリンを含めた5種類の中から患者さんに適した薬を選べるようになりました。

しかし、プラザキサカプセルの発売開始から5か月の間に重篤な出血性副作用が81件報告され、そのうち5例は因果関係が否定できない死亡例であることがわかりました。

いまのところ、抗凝固薬の指標が未確立であり、新しい抗凝固薬の服用にあたっては、重篤化を未然に防ぐため、副作用の早期発見が重要となっています。

 

このようなお薬を飲んでいる方が、歯肉出血で来院された場合、私たちは口腔内の診査を十分に行い、歯周病・口腔粘膜疾患・外傷や腫瘍などの有無・さらに全身的な出血傾向などの症状を確認します。

全身的な出血傾向(例えば鼻出血、内出血斑、血尿、血便など)がみられる場合は、悪化して重篤な出血性副作用(大出血や頭蓋内出血など)を起こす場合もありますので、すぐにかかりつけの内科医に相談していただくようにいたします。

 

歯肉出血で来院された患者様から、重篤な出血性副作用を防ぐことができることもありますので、もし、血液サラサラのお薬を飲まれており、歯肉からやけにずっと血が出ていて止まらない、、なんてことがありましたらすぐにご相談ください。

 

また、血液サラサラのお薬を飲まれていて、血の出る処置(抜歯や歯のクリーニングなど)を受ける際は安心して治療を受けていただけるように配慮いたします。

ワーファリンを飲まれている方は、直近のPT-INR値を教えてくださりますよう、お願いいたします。どうか、患者様のご判断で、薬の量や回数を変更したりはしないでくださいね:)

 

参考:デンタルハイジーン 2014 Vol.34 no.9

 

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